V.A. / TUBES ANNEES 60

Tubes-annees60サイコーですね!1960年代のグァドループALLスター勢揃い踏み(って、知らないアーティストばっかり並んでいるんですが)のDEBSレーベル / シングルEPレコード復刻コレクションCD!〜というわけで、未だカダンスからズークへの流れもハッキリしていない頃のグアドループ音楽シーンの混沌というか、多彩さがバッチリ楽しめる復刻盤です。

同じ仏語圏カリブのハイチに、レーベルオーナーにしてプロデューサー、そして楽団リーダー / サックス奏者のレバノン人、イッサ・エル・サイエーがいたように、時代はやや下りますが、グアドループにはこの人あり、ということで、やはりレバノン系のファミリーのもと、レーベルをスタート、自らもサックスやギターを演じ楽団リーダー / プロデューサーとして活躍したアンリ・デブス(1932-2013)の存在を忘れることはできません。
デブスと言えば、70年代に入ってからのカダンス、そして80年代のズークの重要プロデューサーとして知られていますが(ズークマシンやタニヤ・サンヴァルの育ての親)、本CDには自ら楽団を持ち、そして自ら歌っていた頃、60年代のシングル録音が6曲ここに収められているわけですねえ。
加えて、未だグアドループにおいて、LPアルバムが当たり前ではなかった頃、同じくフランスの海外県マルチニックと共有していたビギンの流れはもちろんのこと、ハイチの初期コンパやトリニダードのカリプソ、あるいはキューバ系ラテンといった周辺の島々の音楽的影響をモロに受けながら、どことな〜くグァドループらしさというものを漂わせているアンリ・デブス曲に準じた、彼のプロデュースしたナンバー全19曲がここに並んでいるわけです。で、デブスの片腕とも言えそうな名サックス奏者、エドゥアルド・ベノワの楽団はともかくとして、ほかは未知のアーティスト / 歌い手ばかり。その後のグアドループ音楽の中でどうなってしまったのか、わからない人達ばかりですが(カダンスやズークの分野で活躍していたかも知れませんが)、なんともイイ味出していますねえ、みんな。他のカリブの島々のダンス音楽に共鳴しつつ、一つの流行音楽スタイルが確立されてしまってからでは(=カダンス / ズーク以降では)味わえない猥雑さ?多彩さ?イイ加減さ?が横溢する中に仄かに漂うグアドループ風味!?
やっぱりサイコーですね!

01. Emmanuel rozé jadin la (Orch. Espéranza de Edouard Benoit, chant Fred Dorville)
02. Au pli bèl l’auto (chant : Henri Debs et Guy Alcindor)
03. On tou a vespa (chant : Dolor Méliot)
04. Doudou ritouné (chant : Jean Leroy)
05. Affaire de volaille (Orch. Espéranza de Edouard Benoit, chant : Jean Leroy)
06. Es ou ké ban moin y (chant : Dolor Méliot)
07. Pa palé fo (chant : Henri Debs, Alain Gervais)
08. Doudou (chant : Henri Debs)
09. En cé on bon kirè (chant : Emmanuel Paines)
10. Sorbetiè la (Orch. Les Maxel’s, chant : Eddy Dorville)
11. Berceuse et pliant (chant : Daniel Forestal)
12. Pa chatouillé moin (chant : Henri Debs, Alain Gervais)
13. An jouan guita en moin (chant : Yves Marsile)
14. Grog moin (Orch. Raymond Cicault, chant : Emile Volel)
15. Raché coco la (chant : Emmanuel Paines)
16. Bonjour Guadeloupe (chant : Henri Debs)
17. Adan on chomage (Henri Debs et son combo, chant : P. Marboeuf)
18. Où sont les baisers (Henri Debs et son combo, chant : Paul Blamar)
19. Piston la (Orch. Guitare Boys, chant : Eddy Dorville)