“オレカTX / シレックス”
●中央政府のあるマドリードやバルセロナのあるカタラン地方とも全く違う文化、言語を持つスペイン・バスク地方。海と山に囲まれた自然豊かな土壌と独立機運の強い民族で複雑な歴史を持っています。特に言語は世界の言語系等でも唯一、起源が不明というミステリアスな面も多い地域。
●そんな独特の文化が潜むバスクの伝統楽器でもとりわけユニークなのがチャラパルタでしょう。楢の木でできた棒を両手に持ち、板にその棒 を落として音を作るというもの。その音色はバラフォンやシロフォン、またはグロッケンとも似て非なるもの。まさに天然のミニマルミュージックで、01年発 表の1st『QUERCUS ENDORPHINA』(バスク語で木を擦るという意)は同郷の世界的音楽家ケパ・フンケラのバックアップもありロングセラーを続けています。そして 2ndの『ノマダクTX』はさらにその世界を拡げ、チャラパルタを持ってモンゴル、サハラ、ノルウェイの奥地にまで旅をして現地の音楽家とセッション。そ の様子はドキュメンタリー映画化され”遊牧のチャラパルタ~バスク幻の伝統楽器奏者オレカTXの旅~”として日本でも上映。同時に来日を果たしました。
● 今作は待望の3rdアルバム。言うまでもないチャラパルタの素晴らしく涼しい響きを存分に味わえるアンサンブル。チャラパルタだけでなくバスクの伝統楽器 アルボカ、インドのタブラ、ギリシャのブズーキなどとの編成で聞かせ、さらにフレンチ・バスクの有名トラッドグループ、カラカン(KALAKAN)やオシュコリ(OSKORRI)、 ベニート・レルチュンディ(BENITO LERTXUNDI)といったベテランのトラッドグループのメンバーも顔を揃えています。前作のコンセプチュアルな世界音楽フュージョンとは一転、バスク の伝統音楽に乗っ取った贅沢なラインナップです。
●ワールドミュージックの知識なくとも、その魔法の響きよって広く知られることとなったオレカTX。欧州トラッド音楽の枠から普遍的な世界音楽へ躍進した素晴らしい一枚です。
●日本語解説付(長嶺 修)
(以上、メーカーインフォより)
△参考