JAMALA / 1944(EP)

クリミア問題を描いて物議を醸した
2016年ユーロヴィジョン優勝曲!

2016年のユーロヴィジョンを制した、ウクライナ代表クリミア・タタール人歌手のジャマラ。彼女が歌った「1944」は、1944年旧ソ連のスターリンによるクリミア半島からのタタール人強制追放を描いた曲でした。この過程で移住したタタール人の約半数、10万人が亡くなっており、このジェノサイドの記憶は現在もタタール人達に暗い影を落としています。ジャマラの一家もこの際にキルギスに移住しており、彼女の曾祖母は娘を移動中に亡くしたそうです。ソ連崩壊~ウクライナ独立後、彼女の一家はクリミア半島に帰還しましたが、2014年クリミア危機以降再び現地のタタール人達はロシアによる弾圧を受けて暮らし、ジャマラ自身故郷に帰ることが出来なくなりました。そしてクリミアを編入したロシアではなく、ウクライナの代表として彼女はユーロヴィジョンに出場したのです。
「故郷を失った」と歌われる「1944」は、ユーロヴィジョンの「政治的な歌詞を含む曲を避ける」規則に違反していないと判断され、見事優勝しました。それに対し、ロシアのメディアや議員達は「政治的な審査」と激しく非難していることは、日本でも国際ニュースとして報じられていました。
本作はその「1944」を表題に組まれた5曲入りEP。他の収録曲は彼女の近作から選曲されており、ジャジーなポップ・ソング、オペラ仕込みの歌唱を乗せるエレクトロニカ、ソウルフルな歌唱など、エモーショナルに歌い上げる「1944」とは異なった彼女の魅力をダイジェスト的に紹介します。ユーロヴィジョンで彼女を知り、他の曲も聴いてみたいという方には最適な入門編となるでしょう。
(インポーター資料から)