CHEIKH EL HASNAOUI / DOUBLE BEST 1946 – 1964

cheikh-el-hasnaoui2cdやっとのこと、モハメッド・エル・アンカと並び称されるアルジェリアン・シャアビ黎明期からの大物、シェイク・エル・ハスナウイのベスト2CDがMLPからリリースされました!嬉しいですねえ、これで一通りアルジェリアン・シャアビの重要人物の録音が聴けることになったかと思います。〜エル・アンカに遅れること3年、エル・ハスナウイは1910年にカビール(カビリヤ)地方で生れています。が、1930年頃には故郷の村を離れてアルジェのカスバへ移り住み、そこで夜間の港湾労働をしながら、傍らモハメッド・エル・アンカ(1907-78)の楽団にもバンジョーを弾き参加していたようです。1936年には最初の吹き込みを行い、39年以降は渡仏、1950年代初め頃までパリにとどまり、第二次大戦を挟んで多く渡仏したカビール系移民のためにカビール方言のアラビア語で歌い続け、生涯の重要曲をこの期間に生み出しています。本2CDにはこの間のパリ録音11曲が主にCD1に収められています。その後、アルジェへ戻ってからの1955-64年までの18曲が主にCD2に収められました(1968年を最後にエル・ハスナウイは録音を残していません)。そして、どういう経緯かは知りませんが、シェイク・エル・ハスナウイは2002年にレユニオン島で亡くなっています。
エル・ハスナウイは、とりわけ、1930年代後半の最初のヒット「ラ・メゾン・ブランシュ」(多くの人たちによってカヴァーされてますが、ムース&ハキムも)によって人気を得ましたが(本CDには1949年の録音で収録)、後続のカビール人歌手達、ルーネス・マトゥーブ、アイト・メンゲレット、タクファリナス、カメル・メッサウーディらに大きな影響を与えたとされています。なるほど、どちらかと言えば、ボソボソと、もしくは淡々と愛嬌も飾りもない歌い口で、カビール語とアラビア語を交え歌ったその後期スタイルは、確かにマトゥーブの歌い方に影響を与えていると感じられます。
エル・アンカほどべらんめえ調ではなく、スレイマン・アゼムほどイブシ銀の世界ではなく、ダフマーン・エル・ハラシほど外連味があるわけでなく、やはりエル・ハスナウイにはハスナウイなりの地味ながらブルージーな味わいが感じられて、なんとも、歌手それぞれの味わいが楽しめるアルジェリアン・シャアビの世界、まだまだ聞かずに死ねるか、ということにもなりますかね?

CD 1 1. AMEDHOUH / 2. FADHMA / 3. ATHIQBAYLIYNE / 4. CHEIKHAMOKRANE / 5. SANI SANI / 6. BOUTABANI / 7. LA MAISON BLANCHE / 8.IJAH ERAYIS / 9. INATAS MA DIAS / 10. MA-THEBGHIDIYI / 11. MATEBGHID A-NROUH / 12. REBBI EL MAABOUD / 13. SIDI REBBI / 14. AKAL  ABERKANE / 15. MRABHA / 16. AROUAH AROUAH
CD 2 1. YA NOUDJOUM ELLIL / 2. YA ZAHIA / 3. AJINI AJINI / 4. BNET ESSOBHA / 5. AWABAD REBBI AATALOU (PRELUDE) / 6. YA HAL ELLIL /7. RED BELEK / 8. HAY LAHOOP / 9. SAHRANE ELLIL / 10. HABIB QALBI ENKARNI / 11. IB AALIKOUM / 12. LALLA HENNI / 13. ANA MAHMOUM

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