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2002年7月9日 ウルグアイ恐るべし…。
 ということで、ウルグアイ〜アルゼンチン盤LP、少しだけ入荷 したのですが、中でも上の赤ジャケのアルバム、ちょっとビックリしました…。1960年代前半頃の作品でしょうか…?〜史上、初めてカンドンベのビートをモダン・ポップ化〜ジャズ化するのに貢献したというコンフント&男女コーラス/パーカッション・アンサンブル&ミュージカル・ディレクターのユニットなのですが、コレが実に面白い。レアーかつ内容も極上、できることなら手もとに置いといて、チャンスがあれば、誰か、好みの通じる音楽マニアの友だちに、どーだスゴイだろー、と、全面的に、赤裸々に自慢したくなるようなレコード、とでも言えましょうか…。
  とはいえ、結局は、売りものなので、店頭に飾っておく限りは、いつかは、お客さまの誰それ様にお買い求めいただくことになるのでしょうが、ウ〜ン、売りたくない…。先月、キューバで見つけたセプテート・ナシオナールも、結局、あっけなく売れてしまい、もう少し手もとに置いておきたかったなあ、と思う間もなく無くなってしまいましたが、レコード屋というのは空しいものです。…別に、手もとにあってもなくてもいいレコードは、いつまでも売れずにたくさんあるのに…。
  というようなグチはさておき、ウ〜ン、カンドンベ恐るべし…。
  と、前置きが長くなりました、で、上のアルバムの内容ですが、確かにジャズ的なモダンさが感じられる演奏で、編成としては、フロントにトランペットとサックス、そしてシャープなホーンズに、ピアノ、ベース、ドラムス、そこにカンドンベのビートを叩き出すパーカッション群が加わり、初期のボサ・ジャズみたいなクールなノリを聞かせるかと思えば、キューバ系ラテンで言うところのデスカルガのような、即興性に溢れた熱い応酬も聞かせます。1曲ごとにインストとヴォーカルものが入れ代わる構成になっていて、ややジャズ・マナーのスペイン語男女コーラスがスピーディーな歌を交わすヴォーカルものの出来もOKです。
  ボサ・ビートとプエルトリカン・ボンバのリズムを足して2で割ったような、独特なドライヴのかかったリズム感がとにかくカッコよくて、いやー、久々にシビレました…。強いて言えば、エジソン・マシャードVSコルティーホ?みたいなノリでしょうか…、で、アレンジは初期ラロ・シフリン?と、何だかワケのわからない、たとえになってしまいましたが、まあ、あんまり気にしないで下さい…。
  カンドンベというと、ルーベン・ラダしか聴いたことのなかった身なので、60年代のJBを聴かずに70年代アトランティック・ディスコばかり聴いていた、みたいな、何だかソンをしたような気にもなってしまいました…、と、また、ワケわかりませんが。それにしてもウルグアイ…、一度、買い付けに行くべきなのかも知れませんねえ…。
  で、そのカンドンベのビートとは、いったい何なのかといえば、もともとウルグアイに住んでいたアフリカ系黒人の、何らかの祭祀に使われたリズムだったそうですが、黒人が減少するにつれ、カーニヴァルのリズムとして定着したとのこと。古くはアルゼンチン・タンゴなんかにも取り入れられたこともあったようです。

 

  で、上のLPは、そのカンドンベ・リズムの民俗的な伝統を再現しようと作られた1977年作。とはいえ、どこか、疑似フォークロア的な臭いもする、かなりインテリジェントなムード漂うパーカッション演奏集なんですが、内容としては、全体に4拍子系のリズム感が通底しているものの、かなり変化に富んでいます。ハイチのヴードゥー・リズムに近い感じのものもあれば、ブラジルのバットゥーカダっぽい感じ、あるいは、カポエイラ風もあり〜ビリンバウも使用されてます…、まあ、その名称から容易に連想できるように、ブラジルのカンドンブレとも親戚関係のなんでしょうね。ほかにも、タンゴっぽいピアノが弾かれるエキゾチックかつフリー・フォームなジャズ風の曲なんかもあったりして、それなりに面白いレコードであることは確かです。

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