2009年6月28日 先行販売させていただきます!
久保田麻琴さんが惚れ込んだ宮古の離島〜池間島、そして宮古島の西原における1970年代の奇跡の発掘音源2アイテムです!
久保田麻琴さん曰く「内容の濃さ、素晴らしさは耳を疑うほどだ。曲も素晴らしいが、それぞれの歌唱、グルーブ感など超一流だ。70年代にマルフク盤の“ハイサイ・オジサン”に最初に出会って以来のショックと感動〜ここで聞かれる宮古、あるいは池間族独特の曲と演奏歌唱は、荒くローファイに録音されてはいるが、伝わってくる音と雰囲気はそれにもまして凄い!」
こちらで試聴できます!>>http://kubotamakoto.com/ (TOP→WORKS→NANTOU SERIES)
『池間古謡集』
☆VARIOUS ARTISTS - PRODUCED & RECORDED by HATSUO OKUHARA in 1970's - MASTERD by MAKOTO KUBOTA 2009 / IKEMA - TRADITIONAL SONGS FROM IKEMA ISLAND (ABY RECORDS) CD ¥2300
高原清 / 親泊フミ / 山里キク / 佐久本千代 / 与儀キク / 奥原フミ / 伊良波清吉 / 友利金助 / 来間武夫 / 砂川貞章 / 宮城末子 / 中曽根真一 / 前泊広美 / 勝連ヒデ / 横目博二 / 宮城隆一郎 / 野底千代 / 勝連健二 / 奥原初雄 / 仲間勝治
いや、ブッ飛びました...。最初に久保田さんから聞かせていただいた時、その初めの曲だった「池間口説」、たたみかけるような三線の弦音と、チャキチャキとした三板、そして、くぐもった打音のパーカッションが醸し出すグルーヴに乗せ、開放的で陽気でいて、ちょっとブルージー?そして、少しばかりヤサグレタたようなその男の歌い口!いやあ、魅せられましたよ。家元とか師匠筋とかに過保護に管理されたある種の“民謡”とはまるで違う奔放な歌い口、だからこそ、そこから立ち上る島ならではの声音のリアリティー!70年代前半の池間の歌い口、コレは見逃せませんねえ...。それにしても「池間口説」ほか数曲で聞こえる、このくぐもったような打楽器音?...こんな打楽器、沖縄あたりにありましたっけ?と久保田さんにお尋ねすると、なんでもレコーディングされた奥原初雄氏によれば、その辺にあったリンゴ箱か何か、木箱を叩いて録音が敢行されたそうで、いやあ、おそれ入りました、音楽の自由、というか規格外!
ほか、イイ感じの夏の宵に集まり酒盛り歌合戦をしているような?ゆったりした曲からミディアム、アップまで、高音嗄れ女声や、遠くに波音を聞くような渋い男声、なんでこんなに懐かしいんだ?というような老いを感じさせるアカペラ女声、などなど、う〜んなるほど、確かに、これまで聞いてきた沖縄とは違うような気がします。後半には、歌謡曲風や音頭やシャーマン・ソングもありますよ!
ジャマイカやニューオーリンズやハワイ、ジャカルタやペルナンブーコ、マラケッシュ、アディスなどなど、いかにも、幾つかの世界中の局地的な音楽の宝庫に身を投じて来た久保田さんがのめり込むだけのものを感じさせるわけです、池間です!
『宮古西原古謡集』
☆VARIOUS ARTISTS - feat. MAGOTARO NAGATA & NISHIBE ALL STARS
PRODUCED & RECORDED by HATSUO OKUHARA in 1974 - MASTERD by MAKOTO KUBOTA 2009 / NISUMURA - TRADITIONAL SONGS FROM NISHIHARA, MIYAKO ISLAND (ABY RECORDS) CD ¥2300
長田孫太郎 / 池間ヨシ / 泊美歌子 / 高良ハツ / 石嶺シゲ / 本村ヒロコ / 長田ハツエ / 崎山カニメガ / 前泊美歌子
1974年に西原の村立100周年記念として、奥原初雄氏と村一番の唄者、長田孫太郎氏により録音制作された2枚のLPから編集&リマスターされた復刻盤ということで、『池間古謡集』と同様、こちらも超レアーですが、久保田さんが出会わなかったら復刻されることはなかったんじゃないかと、そんな気がします。やっぱり昨今の“沖縄民謡”の美意識のあり方からすれば、どこかハズレた雰囲気が濃く感じられます。
宮古というところは人口6万の島なのに、同じ島に住まいながら互いの方言が通じないこともある、ということですから、どれだけフォークロアが豊富なのか察しがつきますね。そんな宮古の空気感が濃密に宿った野趣満載の歌唱と演奏が楽しめるわけです。男声、女声とも、まず節まわし、そして発声が違います。ゆったりとしたシャーマニックなムードもあるアカペラ風の曲にしても、三線、太鼓、囃子のはずむリズミカルな民謡にしても、男声はラフ&タフながら、女声はそれなりに繊細さを見せながら、独特の浮遊感ある歌を聞かせてくれます。神さまや神話の歌、情愛や情景の歌、祈りや祝いの歌、自らを鼓舞する歌、弔いや出産の歌、コミカルに人をはやす歌、などなど、それぞれの歌がそれぞれの表情で西原に住んで在ることを歌っているんでしょう...。深いですよ、伝統といって形や規則があるものではなく、何と言いますか、歌声やリズムが響くその空気それ自体が伝統につながっていくような、ゆるくて深いものが感じられます。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
そして以下2アイテムは、久保田麻琴さんによる7回にわたるフィールドワーク録音から抜粋した古謡録音集〜6月28日全国発売の2点です!
※なお、この2作品に聞ける歌い手、奏者も参加するこの夏のライヴ『東京の夏音楽祭2009 / <日本文化の古層> 宮古島の歌神と古謡』は >>こちら を参照されたし!
『波照間古謡集 1』
VARIOUS ARTISTS feat. FUJIE ATOFUSOKO and MITSUKO NOSOKO / PATILOMA - TRADITIONAL SONGS FROM HATERUMA ISLAND (ABY RECORDS) CD ¥2300
後冨底フヂエ / 野底光子 / 本比田トヨ / 後冨底周二 / 前向宏 / 砂川貞雄
人口600、人が住まう島で日本最南端とされる波照間の古謡集、近年のフィールド・レコーディングに、古い貴重音源をリマスターして追加収録したCDとなっています。島の老婆たちによる無伴奏ソロ・ヴォーカルがやっぱり、とてもイイわけですが、何となく、昔聞いた済州島の老婆たちの歌にも似ているかも知れません。あるいは、ネイティヴ・アメリカンの老婆の歌とか...、ま、手前勝手な連想はともかく、そのゆったりとした柔らかな節まわしは子守唄のようにも聞こえますが、子守歌ではなく島の祭祀に謡われる神歌だそうで、そう知って聞いてみると、なるほど、どこか慎ましく神妙な面持ちも伝わってきます。が、それにしてもララバイと見まがうような神歌とは...、よほど神さまたちは島の生活にとって親しみのある身近な存在なのでしょう...。ほか、潮風に向かって唄うような、おおらかで野趣にあふれる男声民謡も聞きものです!
『宮古多良間古謡集 1』
VARIOUS ARTISTS - feat. HARNEYS SARAHAMA, HIROSHI MOLISHIMA & HIS GROUP, HARUKO HAMAKAWA, HIDE MIYAKUNI / MYAHK - TRADITIONAL SONGS FROM MIYAKO & TARAMA ISLAND
(ABY RECORDS) CD ¥2300¥2300
ハーニーズ 佐良浜(浜川美代、長崎国枝、上原敏美、仲間八重子) / 盛島宏 / 本村キミ / 長田トシ+高良マツ / 長崎トヨ / 村山キヨ / 友利サダ / 浜川春子 / 宮国ヒデ
参考〜http://www.youtube.com/watch?v=Q4Siwicsjf0
ハーニーズ佐良浜!人生のヴェテラン女性4人による無伴奏ユニゾン・コーラスがイイですねえ、伸びやかで、たくましく、繊細な余韻も引きます。独特のリズム感も素晴らしいですねえ。よりワイルド、ぐっとフォークロアな魅了あふれる“ネーネーズ・スタイル”が、頭の中をめぐったりもしました。が、ここではフィールド・レコーディングそのままに、伴奏はなし、素材そのままの新鮮さが魅力です。ほか、三線&太鼓&女声の囃子がつく、80歳の唄者、盛島宏のヴァイタルで懐の深い歌唱も聞きものです!
かつて、團伊玖磨が1960年代に宮古を訪れた際、こう言ったそうです。「宮古の民謡は素晴らしいの一語に尽きる。非常に明るく、男性的で元がしっかりしている。宮古民謡の中には、東洋には見られない旋律がある。本当に不思議だ。」
*お問い合わせ等は“こちら”まで、お気軽にどうぞ。 |