2011年12月 幾つか再入荷しています! bunboniさん感謝 !!
09年5月31日 追加入荷 from PLANTATION !!
地味ながら?マニアックなアジア音楽ファンの皆さんに、ご好評をいただいているヴェトナム関係の入荷ですが、追加アイテムが少々プランテーションさんから届きましたので、以下に並べさせていただきます。
現行の歌謡&POP関係CDもいずれ買い付けていただく予定ですが、今回の追加入荷は、ヴァン・フオンの初入荷アイテム及び、ヴェトナムの伝統的なインスト音楽CD各種ということになります。
<8> VAN HUONG / GIONG CA (DIAHAT VIETNAM) CD 品切れ
こちらはヴァン・フオン追加入荷品です。ジャケのポートレイトから判断して、後年の録音になるかと思いますが、あの“月刊ミニヨン”でも話題になった「ラヴ・ポーションNO.9」のちょっとなさけないパクリにおいて、"カワサキ" とか "ホンダ" とか "スズキ" とか "ヤマハ" とか、わけのわからない歌詞を連呼するイントロから始まるCDです。謡の節まわしの暑苦しさというか、ヤケッパチぶりというか、ただごとではありません。何だか歳を取って、なおいっそうパンクです!?困ったものです。
<9> <10> <11> <12>
<13> <14> <15> <16>
<9> NHAC CU, BAN NHAC, GIOI THIEU / BAN DAN , NAM BO (TRANG DUONG) CDR ¥2050
<10> PHUONG BAO / BINH MINA TREN REO CAO (DIHAVINA) CDR 品切れ
<11> VARIOUS ARTISTS / NGAM TRANG (DIHAVINA) CDR ¥2050
<12> VARIOUS ARTISTS / TIENG BAU TIENG TRIC... (HO GUON) CDR ¥2050
<13> THANH TAM / TIENG DAN BAU (HACOVA) CD 品切れ
<14> HAI PHUONG, HUYNH KHAI, TRAN VAN KHE / LAN DIEU COI NGUON (BEN THANH) CD 品切れ
<15> VARIOUS ARTISTS / TRANH, SAO, BAU, NH! (CONG TY 〜)CD ¥2250
<16> NGUYEN NHA / CA TRU QUOC DAO (BVN MEDIA) CD ¥2250
<9> 〜 <15> は、伝統的な楽器によるインスト音楽を収録したCDで、ヴァン・フオンの暑苦しさとは打って変わって、いかにも清涼感あふれるヴェトナムならではのアンサンブルが楽しめるCD群です。
<9> はカイ・ルオンの伴奏音楽、一弦琴ダン・バウとギター&ヴァイオリンほか、様々なベトナムの琴&弦楽器による小編成録音です。<10> はベトナムの琴をフィーチュアーしたCD、中国的な情緒も漂います。<11> では竹琴のトゥルンや月琴ダン・グエット、笛のチュック、琴ダン・チャイン等のソロ演奏が小編成のバックとともに楽しめます。<12> では胡弓型の楽器や各種竹笛や打楽器、そしてダン・バウやダン・チャインなどをメインに、民俗楽器オーケストラが楽しめます。<13> は、テルミンみたいにも聞こえる?ダン・バウの音色をメインに据えた演奏集。<14> は、ダン・チャイン x2 &ダン・グエットによる古典&即興演奏を収録。<15> は四季の旋律を奏でたCDということで、ダン・バウ、胡弓ダン・ニー、 ダン・チェイン、バンブー・フルート、ギター等による演奏。<16> は“カ・チュー”と呼ばれる伝統的な歌謡を女性歌手が典雅に演じたCDです。
2009年5月1日
VONG CO from VIET-NAM !!
by the goodwill of PLANTATION @ Shinsaibashi !!
というわけで、この春からお取引させていただくことになった大阪は西心斎橋のワールド・ミュージック・ショップ“プランテーション”さんに、なっ、なんとヴェトナム現地買い付けしていただいた“ヴォン・コ”関係のレアーなCDが入荷してまいりました!う〜ん、関東地区におきましては本邦初入荷じゃないでしょうか!?と、驚きを隠せませんが、なんでもプランテーションさんは毎月のように、東南アジア方面各地をまわっていらっしゃるようなので、今後も、いろいろと面白いCDを御紹介してくれるかも知れませんね。乞うご期待です!
で、そもそもベトナムの“ヴォン・コ”とは何か?以下、簡単にご紹介させていただきたいと思いますが、その前に百聞は一見にしかず、まずこちらの映像↓をご覧頂きたいと思います。
>>http://www.youtube.com/watch?v=21PR6z0D0qg
〜
こちら<3>VAN HUONG / TU ECH -CDに収録されています!
しっかし youtube 驚きですね、こんな映像まであるとは...、で、この映像中、ベトナム将棋のテーブルを挟んで、何やら、いちゃんもんをつけているのか説教をしているのか、ブルージー?なエレキ演奏をバックにクチパクで歌っている(というか、節を付けて語っている)ファンキーなオヤジがヴァン・フオンその人で(たぶん、古い録音に後年になって映像をつけたクリップかと?)、ヴェトナム戦争以前からポップなスタイルのヴォン・コの代表的な歌い手とされていた人、のようです。で、今回の入荷は、このヴァン・フオンの復刻CD3点がメインと言えるでしょうか。
...おおまかなところ、ヴェトナムの大衆歌謡は20世紀初めに起こった軽演劇/改良劇“カイ・ルオン”の中で歌われたヴェトナムの伝統的な歌謡や中華風歌謡、あるいは植民者フランス経由の西洋音楽、ルンバやタンゴなど、そうした多彩な挿入歌(歌&科白)から生まれたとされますが、そんな挿入歌の中でも最も重要な位置を占めたのが、幾つかのヴェトナムの伝統的な旋法を下敷きに生まれたヴォン・コ調(望古調)と呼ばれた歌、というか、節をつけて語るように歌う浪花節?にも当たるようなスタイルであり、そのヴォン・コ調の旋律、もしくはその発展形に次々と新たな詞がつけられ、時に即興的に、ギターを主とした伴奏において謡われることで、20世紀半ばにかけてヴォン・コはポピュラー音楽的なスタイルとして確立したようです。
けれど、ヴォン・コというと有名なのは、やはりギター音楽であり、フレット間を削って溝を作り、月琴の奏法から派生したと思われる、いかにもヴェトナム的な極端なヴィブラートをチョーキング奏法的に表現するヴォン・コ・ギターがよく知られているんじゃないかと思います。例えば有名なキム・シンといったギター奏者の歌い演じる音楽は、より一層、古典的な旋法に則っていると聞こえ、ポップ音楽とは呼べないと思いますが、同じくヴォン・コと呼ばれたりするところを見ると、結局、ポップ云々はこちらの線引きであり、現地では大衆的なものとして聞かれていようと、伝統的なものとして演じられていようと、その辺の区別はあまり意識されなかったのかも知れませんね。いずれにせよ、エレキ・ギターで演じられることの多いポップ系ヴォン・コの伴奏も、伝統的なスタイルのギター演奏も、テンポや音色は違いこそすれ、同根の音楽であることは納得されます。
と、ハギレの悪い説明になりましたが、今のところ詳しいことが全然わからないので、とりあえず、こんな説明でご勘弁していただき....。
<1> <2><3>
<1> VAN HUONG / TE THIEN DAI THANH (DAIHAT VIETNAM) CD ¥2050 再入荷!
<2>
VAN HUONG / DONG QUE, VO TOI, SUU (DAIHAT VIETNAM) CD ¥2050 再入荷!
<3> VAN HUONG / TU ECH (DAIHAT VIETNAM) CD ¥2050 再入荷!
今回入荷の3点は、1975年のサイゴン陥落以前の音源ということで、<1><2> はおそらく南ヴェトナムの旧サイゴン(現ホーチミン)における60年代後半頃の録音かと思われます。 ツイストやチャチャチャ、ロッカバラード調、もしくはチャイナドラ高鳴る中華風の“前奏 & 間奏”が、ヴェトナム・メイドならではの微妙にブルージーなムードと相俟って、何ともニューオリンズ・ガンボ?もしくは林助さんのワタブー・ショー!?みたいな味わいを醸しているところが、おいしいですねえ(音質から判断しても60年代半ば以降の録音じゃないかと思えますが、そのどちらかと言えば親米的な?洋楽指向の前&間奏は、ガンガン米軍機に空爆されていた北ベトナムでは有り得ないものかと...、同様に75年以降の米軍敗退後にもありえないかと...、<2> には、なぜか“ロンドン・ブリッジ”も収録されてますから)。
そんな前奏&間奏部分ではピアノやベース、ドラムスも使い、歌も洋楽調のメロディーに沿って歌われますが、メインのヴォン・コのパートに入るとエレキ・ギター、生ギターに加え伝統楽器群によるヴェトナム調の演奏に戻り、歌唱も“謡う”色合いが濃くなります。
なお、カイ・ルオンでの劇中歌のあり方も同様だったようで、洋楽調の部分とヴェトナム調の部分は溶け合うことはなく、接ぎ木状態で入れ替わるのが作法だったようです。
<3> に関しては、70年代に入ってからの録音と思われます。洋楽風の前奏 or 間奏があまり聞けないのが残念ですが、かわりにというわけでもないのですが、上にリンクさせていただいた youtube の曲が収録されています。まったくもってブルースですね!(実際、ヴォン・コ調で謡われる詞の内容は、望郷や懐古、あるいは生活苦や悲恋を謡った“嘆き節”の要素が強いようですが、このヴァン・フオン、嘆きを自ら茶化してしいるように聞こえないこともありません...。)
<4> <5> <6> <7>
<4> BAY BA, VAN VI, NAM CO / CUNG THUONG HOA DIEU (DAIHAT VIETNAM) CD ¥1850 再入荷!
<5> MINH CANH, VAN HUONG, NGOC GIAU / UT TRA ON (DAIHAT VIETNAM) CD 品切れ
<6> VARIOUS ARTISTS / HOI CHUONG THIEN MU (SAIGON AUDIO) CD 品切れ
収録曲 >>http://vietnamlibrary.informe.com/h-ei-chuning-thin-n-m-o-n-ngh-s-thanh-nga-dt186.html
<7> UT TRA ON, MINH CANH, UT BACH LAN / TINH ANH BAN CHIEU (SAIGON AUDIO) CD ¥2450 再入荷!
収録曲 >> http://www.youtube.com/watch?v=EzsFzGGMt74
<4> “コ・ニャック”と呼ばれているらしいインスト・スタイルをそれぞれ、二弦の月琴=ダン・グエット、胡弓=ダン・ガオ、そしてギター(エレキ&スライド !! 含む)で演じる3人の名手をフィーチュアーした70年代後半頃?の録音で、ヴォン・コほか、さまざまな調子がアンサンブル、もしくはソロで演じられています。なんだか、ジャケをみているとトリオ・マタモロスとアルセニオ・ロドリゲスが合体したような感じですが("EXP"さん言)、中でもアルセニオにあたる?盲目のギタリスト、ヴァン・ヴィというサングラスの演者は名手として有名だったそうです。クラプトンあたりと対決させたいようなエレキなアドリヴも聞けますよ!でも、楽曲として、どこがどーなっているのか、イントロとかリフレインとかバースとか、あるいは8小節とか16小節とか、そーゆー基本構成がまったく聞き取ることができない摩訶不思議かつオリエンタルでブルージーな名演集です。
<5> はカイ・ルオンの挿入歌、無伴奏の科白などを一枚のアルバムにまとめたCDだと思います。 ここでもヴァン・フオンが登場しています。ヴォン・コとカイ・ルオンの関係が何となくわかるようなわからないような...。
<6> は、70年代末頃の録音集でしょうか?15年前にヴェトナム観光に行ったという友人が、<7>とともに買って来たそうで、オレは持っているぜ!と自慢してましたから、もう随分前から売られている定番CDであることは確かなようです。内容的には、ヴォン・コ調も含むカイ・ルオンにおける歌謡を、女性歌手ばかり(一曲のみ男声)で綴った麗しいアルバムです!伴奏も生ギターや伝統楽器アンサンブルを中心としたもので、中にはフーン・タンを彷彿とさせるような民謡風や、ノスタルジックな上海歌謡風などもあり、ヴァラエティに富んでいます。
<7> こちらもカイ・ルオンにおける歌を収めたCDとなるでしょうか?中にはエフェクトがかかったエレキ・ギターも聞こえ、ジャケットに写った3者も相応の年齢と見えますから、80年代に入ってからの録音かと思われます。相変わらず、歌とも科白とも聞いて取れる名調子で、じっくり、のんびりとしたムードの曲が、ギターやエレキ・ダン・バウ(一弦琴)を中心とした様々な弦アンサブルによる伴奏で並びます。現在につながるヴォン・コ、あるいはカイ・ルオン系謡曲スタイルが楽しめるアルバムじゃないでしょうか?哀調を感じさせるオールド・タイマーによるヴェトナム歌謡として、こちらもオススメしたいところ。
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