これは注目!ムース&ハキムのアルバム『アルジェリア移民が愛した歌』でも取り上げられていた、渡仏カビール系シャアビ歌手のパイオニア〜スリマン・アゼム(1918-1983)の18曲収録2CDベストが待望のリリース!スリマン・アゼムは1962年、当時の多くのカビール系歌手同様フランスに移住し、働きながら歌い続け、パリのラジオ曲で組まれた、たった15分のカビール歌謡の番組で人気を獲得〜カビール系移民の多大な支持を背景に全フランスで最売れているシンガーの一人となり、晩年まで人気を保ちました。エイト・メンゲレット、イディール、マトゥーブ・ルネースへと続くプロテスト系歌手の流れの出発点にいたSSWと言えるでしょうか。マンドーラと簡単なパーカッションのみの演奏の中、やはり渡仏し同じ境遇にあった8歳年下のダフマーン・エル・ハラシのような外連味はありませんが、カビール的メリスマにあふれた実直な歌い口を聞かせて、渋い味わいを醸します。聴くほどに味が出るタイプですね。録音年代が下るにつれストリングスやアコーディオン、ピアノ等もバックに加わりますが、実直な歌い口に変わりはありません。オススメできます。シャアビ界のカルトーラ!という声もあがっている、本当にイイ歌い手です。
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