タイトルは“ノマド”〜カラン・レーベルでデビューしたクルド人の若手女性歌手、アイヌールがソニーへ移籍しての新作／サード・アルバムをリリースしてくれました（そーいえば、去年、とうとう帝王タトルセスがクルドの出自をカミングアウトしましたね...、多くの歌手がクルド人であることを隠すトルコで、このアイヌールはデビュー以来一貫してクルドの歌をうたい続けて来ました）。〜 "Let's talk music, not politics" とアイヌール自身、本作リリース後のさるインタビューで応えていますので、クルド人の置かれた苦境に関しては、それはそれとして...、西アジア〜中近東にかけて、それぞれの国、地域に生きるクルド人、それぞれの言語／方言を持ち、それぞれの環境に応じて生活しているわけですが、が、そうした中でも例えば、“エレヴァン（アルメニア）のラジオで流れるクルド音楽も、デルシム（トルコ東部〜アイヌールの故郷）で聞かれているクルド音楽も、それが同じものだということは、すぐにわかる”といった意味のことをやはりアイヌールは言っています。そんなクルドの歌を、トラッドかつノマディック、そしてアコースティックなミクスチュアー感覚において歌うアイヌール〜そんなクルドの歌心がどういうものかは、本作でお試しアレ！（で、以前からのファンの方々のために補足しておくと、かなり歌い口が自然になり、アレンジもカルデシ・チュルクレール時代を彷彿とさせます）。