ハブヒロシ with 有漢ちゃんぷるオーケストラ / 長蔵音頭

■~長蔵音頭について~
岡山県の中心部に位置する高梁(たかはし)市の有漢(うかん)町で永らく歌い踊られていた古謡・綱島長蔵音頭。 天明年間(1781~89)頃に飢饉で苦しむ有漢町川関の村を命をかけて守った綱島夫妻の歴史を讃え伝える音頭であるが、 90年代頃より音頭取りが亡くなり、後継者育成がうまくいかなかった事などにより消滅していた。

■2017年に地域おこし協力隊として赴任したハブヒロシが、 町に残る古い芸能を探している中で、かつて“長蔵音頭”という盆踊りがあったことを知る。 資料によると、“長蔵音頭”は“四ツ拍子”という有漢で最も古い音頭がベースになっていると判明し、 その記録をもとに歌詞を当てはめ“長蔵音頭”を再現した。 20年以上近く途絶えていた“長蔵音頭”の復活に沸く有漢町。 今後は精力的に町のお祭りなどでも披露する。

■演奏はハブヒロシが音頭、遊鼓、打楽器などを担当、 そして有漢町で結成されたグループ「有漢ちゃんぷるオーケストラ 」に加え、ハブも参加している「サンドラム」のメンバーらがお囃子で参加、 そして世界的な親指ピアノ奏者としても知られる「サカキマンゴー」が親指ピアノのルケメ、弦楽器であるゴッタン等で参加している。 かつての音頭の単なる再現に留まらず、多様な楽器に彩られて生まれ変わった新たなる「長蔵音頭」の誕生!

■「長蔵音頭」に加え、岡山県三大盆踊りの一つである「松山踊り」、松山踊りの中でもテンポの早い「ヤトサ」も収録。 こちらも「長蔵音頭」と同じメンバーによって演奏され従来の音頭とはまた趣の異なるものに仕上がっている。 さらには各曲のカラオケ版も加えられている。

■2018年のお盆で復活する予定だった長蔵音頭は、豪雨の被害で中止に。 現在高梁市は令和元年を復興元年とし町の再建に取り組んでいる。 今回のCDの売り上げの一部を高梁市に寄付予定。

【アルバムに寄せられたコメント】
歌や踊りはタイムカプセルみたいなものだ。たとえ大昔のものだって、ひとたび封印が解かれれば、その時代に生きた人たちの記憶や生命力が瞬時のうちに蘇る。 東京から岡山県高梁市に移住したハブくんが執念で復元した「長蔵音頭」は、歌が持つそうした力を再認識させてくれる。 そこで語られているのは、岡山県の山間の村を命がけで守ったとある夫妻の物語。同地に古くから伝わる四ツ拍子という歌の形式を残しているのだという。 汎アジア的ともいえる瑞々しいアレンジによって、当時の記憶と気配がフルカラーで蘇る。 ともに収録された「松山踊り」「ヤトサ」とともに、これはもはや現代の文化遺産である。 しかも、一緒に歌って踊れる、楽しい文化遺産だ。ハブくん、やってくれましたねえ!
大石始(ライター)

■収録曲:
1. 長蔵音頭(7:23)
2. 松山踊り(11:11)
3. ヤトサ(5:28)
4. 長蔵音頭 カラオケ(7:23)
5. 松山踊り カラオケ(11:11)
6. ヤトサ カラオケ(5:28)
total time 48:00

■演奏:
ハブヒロシ 音頭、遊鼓、打楽器、裕司ギター、お囃子

有漢ちゃんぷるオーケストラ お囃子
田村宏
土手奈美子
平井和樹
藤井きぬへ
藤井哲彦

ゲスト:
大島菜央(サンドラム) お囃子
サカキマンゴー ルケメ、お囃子(曲―1) ゴッタン(曲―2、3)
坪内敦(サンドラム) お囃子
ハヴケイスケ お囃子
三井闌山 尺八、お囃子

■プロフィール:
ハブヒロシ
東京造形大学映画専攻にてパフォーマンスグループ「やちゃおう倶楽部」を結成。 ZOKEI賞を受賞。 また、インドネシア国立芸術大学スラカルタ校でのガムラン音楽研修や、セネガルの人間国宝ドゥドゥ・ンジャエ・ローズ・ファミリーのもとでのサバールドラム修行など、世界各地の音楽を学ぶ。 大学を卒業後、馬喰町バンド、SUNDRUM、チェ・ジェチョル、松崎ナオ、サム・ベネット、等に出会い音楽活動に専念し、関ジャニ∞のレコーディング参加や、様々なメディアに出演する。 一方で、インド、台湾、韓国、ナイジェリア、セネガル、アメリカなど世界の芸能家たちと音楽を通して交流を深めるが、芸能を深く探れば探るほど、自らの出自というのを見つめざるを得なくなり、長年の模索を経て遂に自作の太鼓「遊鼓」を制作。 二〇一七年には、日本を深く知るため、自らの生活をゼロから見直すために、東京から岡山県高梁市まで遊鼓を叩きながら歩いて移住する。 移住先の高梁市では「ハブライブ!ラブライフ!」を催し、あふりらんぽ、UA、OKI、サカキマンゴー、マレウレウなど唯一無二の音楽家を迎え、今までにないコラボレーションが生まれている。 これまで、現在に生きる新たなる活力・遊び・神話を再び生み出すハイパークロスなチーム「金ノプロペラ舎」を設立し、自ら開発した「宇宙飛行暦」の制作、「丹田呼吸」の伝承、岡山大学大学院での「疫学」研究、「打っただヒカル」などの造形活動の他、小水力発電制作や山里の活性化など、超横断的な活動を通して新たな世界を切り開いている。

有漢ちゃんぷるオーケストラ
二〇一七年に岡山県高梁市有漢町で結成されたグループ。「ちゃんぷる」という言葉は沖縄のゴーヤチャンプルで有名だが、インドネシアにおいても沖縄と同様に「混ぜる」という意味で使われている。有漢町では数多くのインドネシア人が工場で働いており、彼らとハブヒロシが遊び始めたのがグループ結成のキッカケになる。それからは、町のお祭りによく演奏を依頼されるようになり、現在では小学生から敬老会メンバーまでありとあらゆる人間がちゃんぷるして音楽を楽しんでいる。楽器なんか上手く演奏できなくたって私たちのやり方で面白い音楽は奏でられるのだ、という揺るぎなき信念を貫く山里パンクバンド。

〜メーカーインフォより

go top