松田美緒, 土取利行 / 月の夜のコロニア, ブラジル移民のうた

世界を旅する異能の音楽家二人が取り上げた「ブラジル移民のうた」の数々!
ポルトガル語・スペイン語圏の国々で歌手活動を積み重ねてきた“歌う旅人”松田美緒と、 フリージャズドラマーとしても知られ、近年は添田唖蝉坊・知道の作品にも取り組んでいる土取利行が、 ブラジル移民の間で歌詞を変え歌い継がれてきた、日本の明治・大正の流行歌の数々を取り上げた一枚。 添田唖蝉坊の名曲「ラッパ節」を始めとした幅広い楽曲が松田美緒の歌声と、土取による多彩な楽器を用いた 演奏で瑞々しく蘇る!

唖蝉坊の「ラッパ節」が、日本全国、北は北海道から南は沖縄まで幾多の時代を経て民衆によって伝えられてきたことはよく知られている。 しかしそれが遥か彼方のブラジルの地で移民たちの歌としてずっと歌い継がれていたとは、当の唖蝉坊も思い及ばなかったに違いない。 松田美緒が、彼の国の、彼の人たちと出会い、浮かび上がらせた、明治大正演歌の数々。 これは唖蝉坊演歌の底力を示す新たな<移民の歌>の発見であり、快挙である。
(土取利行)

■収録曲:
1. ブラジル・ラッパ節(1:52) 詞:高桑治平、香山六郎  曲:添田唖蝉坊
2. ブラジル・青島節(2:44) 作詞者不詳 曲:添田唖蝉坊
3. 移民節(3:00) 詞:佐々木重夫……「北洋節」の替え歌
4. 移民生活の歌( 3:27) 作詞者不詳……曲:鳥取春陽「籠の鳥」の替え歌
5. 炭鉱節(2:45) 詞:大原守郎
6. イタリア娘の恋心(3:07) 詞:大原守郎
7. 五木の子守歌(3:21) 詞:大原守郎
8. おねんね(2:43) 詞:古野菊生 曲:小野寺七郎
9. 子牛の名前(3:32) 詞:古野菊生 曲:菊池啓
10. 移民のうた (2:51) 詞:梶原義人……「可愛いスーちゃん」
「達者ですかよお母さん」の替え歌

■演奏:
松田美緒:ボーカル
土取利行:演奏─三味線、ブズキ、カマレン、グンブリ、エスラジ、ダルシマ、バンスリ、 ンゴニ、ダマル、カンジーラ

【プロフィール】
■松田美緒(マツダ ミオ)
土地と人々に息づく音楽のルーツを魂と身体で吸収し表現する”現代の吟遊詩人”。その声には彼女が旅した様々な地域の魂が宿っている。大西洋をテーマにブラジルで録音した『アトランティカ』で2005年にビクターよりデビューし、以来ポルトガル、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、ベネズエラ、ペルー、カーボヴェルデなどポルトガル語・スペイン語圏の国々で、現地を代表する数々のミュージシャンと共演、アルバム制作を重ねる。2014年、3年がかりのライブとフィールドワークの集大成として初のCDブック『クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する』を発表。ブラジル・ハワイ移民の歌を含め、日本各地の忘れられた歌を現代に瑞々しく蘇らせた作品は高い反響を呼び、文藝春秋「日本を代表する女性120人」に選ばれる。第2回ヘテロトピア文学賞特別賞を受賞。2016年、1年以上かけて日本全国、パラオで撮影された日本テレビ系列のドキュメンタリー『NNNドキュメント’16 ニッポンのうた “歌う旅人”松田美緒とたどる日本の記憶』 が放映され、同作は2017年度・坂田記念ジャーナリズム賞を受賞。4月にはギリシャ・ポルトガル録音の新作『ELA』を発表。土取利行と郡上八幡にて2016年に初共演。

■土取利行(ツチトリ トシユキ)
70年代よりフリージャズドラマーとして近藤等則、坂本龍一などと活躍。75年から渡米渡欧しミルフォード・グレイブス、デレク・ベイリー、スティーヴ・レイシーなど即興演奏のパイオニアとコンサート、レコーディング。76年ピーター・ブルック国際劇団に音楽監督・演奏家として参加し、今日まで『マハーバーラタ』『テンペスト』『ハムレット』など多くの作品を手がける。アフリカ・アジアに民族音楽、芸能の調査に出かけ、多くの民族楽器や舞踊を学ぶ。87年、故桃山晴衣と岐阜郡上八幡に芸能堂立光学舎を設立し、数々のプロデュース公演を企画し出演。また「銅鐸」「サヌカイト」「縄文鼓」など日本の古代音楽の研究・演奏を手がけ、さらに人類の音楽の起源を探求すべくフランスの壁画洞窟を調査し、演奏。桃山晴衣の逝去後、彼女が最後の弟子として添田知道から直接習っていた本流演歌の研究・演奏に従事、添田唖蝉坊・知道の作品をCDで発表。著書に『縄文の音』『螺旋の腕』『壁画洞窟の音』『音の神秘』(訳本)。『軟骨的抵抗者・演歌の祖・添田唖蝉坊を語る』(鎌田慧共著)。CD多数、2017年エヴァン・パーカー、ウィリアム・パーカーとのライヴコンサートをCD化。2017年からブルック劇団で『バトルフィールド』世界巡業中。

〜以上、メーカーインフォより

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