鈴木翁二 / ダ世界 – 地球へ下りて行こう


A遠なるオージ宇宙。谺するコトバとオトのこくうものがたり。漫画表現の極北に挑み独自の宇宙を造型した工作者・鈴木翁ニ。因果交流電燈に照らされ刻一刻と千変万化する心象の影絵芝居。A遠の未完成幻想曲・第四次銀河交響詩第二番「ダ世界」を聴け。『未明の歌』から十四年、「銀盤 まばたきブック」第二弾登場。

70年代カウンターカルチャーの一翼を担った月刊漫画誌『ガロ』を主戦場に漫画表現の極北に挑み、「スズキオージ・コスモス」とでも呼ぶべき独自の小宇宙を力ずくで造型した工作者・鈴木翁ニ。前作『未明の歌』から14年ぶりの「銀盤 まばたきブック」第二弾。冒頭のインスト一曲をのぞき全編をオリジナル楽曲で固め、さらに異彩を放っている。「ダ世界」「銀青」「少年」「赤錆」「新宿」等佳曲がずらりと並ぶ中、原田依幸・川下直広・不破大輔、三人の猛者が共演した13分におよぶ自作朗読「口笛を吹く場所」は音と言葉が相乗しながら1967年、騒乱の巷・新宿の夜の情景を鮮やかに浮かび上がらせるジャズ原初の喚起力と跳躍力に充ち満ちて圧巻。ジャンジュネ『泥棒日記』をも彷彿とさせる渾沌と波瀾の自分史を唄で綴った青春遊泳ノート。スズキオージ宇宙から地球の片隅・ダ世界に落ちてきたジギーならぬオージ・スターダストの相貌がくっきりと見えてきたぞ。2018年作品

『ダ世界』のダには、駄馬とか駄玩具とか云うときの駄を宛てこめた。堕落の堕ではなく。駄馬とは夕日をしょって、冷や汗をかいて、歯軋りしてゆききする人のことだ。不調和に疲れた体と心とを裏返して土砂降りで洗濯したいと希っている。そんな駄馬の人の瞳でさえもニブく輝くときがある。心の中は対立も焦燥も一時的であれ消えて、外界が穏やかな何かの層に包まれて見えるときー街は駄玩具の街になっている。
…イイケシキだねい! と瀬戸物鑑定団が言うとき、それは心の景色のことである。そして、それが駄玩具的世界観である。綜合の意味づけからの心の開放だ。ある夕景の灯火の有り様が、恰も、空転を恐れぬ感官の自己運動する姿であるかのように人に見えたのなら、それは心象風景だ。そのとき人の内心は愚行の直後のように自由でガランと寂しい筈だ。心象風景は内省ではないから、内省の動機である他人の影が見当たらぬゆえ。この自由と寂しさは言葉を知らない人の自由・忘れた人の自由と寂しさといえるだろう。
(鈴木翁二・ライナーノート「ダ世界のダ」より一部抜粋)

■収録曲:
1. 悲しき雨音
2. 地球へ下りて行こう
3. ダ世界Ⅰ
4. 銀青
5. 天使を一羽
6. 少年
7. 赤錆
8. ゆきを見ていたジョニー
9. うみどり
10. 赤い手袋
11. 新宿
12. 口笛を吹く場所
13. ダ世界Ⅱ

■歌と演奏:
鈴木翁二 歌、ギター、朗読、口笛
関島岳郎 チューバ、グレートバスリコーダー
中尾勘二 クラリネット、バスクラリネット、トロンボーン、アルトサックス
船戸博史 コントラバス
桂牧 A & Eギター、Eベース、シンセサイザー、パーカッション
向島ゆり子 ヴァイオリン、ピアニカ
三木黄太 チェロ
服部将典 コントラバス
吉田悠樹 二胡、ピアニカ、マンドリン
原田依幸 ピアノ
川下直広 テナーサックス
不破大輔 コントラバス

ジャケット画 鈴木翁二 デザイン 藤原邦久
デジパック仕様・豪華28頁ブックレット
歌詞・ライナー文・鈴木翁二オリジナル画満載

〜以上、メーカーインフォより

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