UKANDANZ / YEKETELALE

☆ユーカンダンツ / イェケテラレ

更なるメンバー・チェンジを経てたどり着いた”新境地”!80年代シンセ・サウンドやビート・ミュージックにも踏み込んだダンサブルなグルーヴは、孤高の存在と言ってもいい。

「様々な音楽的エレメントを他に類似例が思い浮かばないヒップかつ奔放な手腕でエチオピア音楽に持ち込んだ本作が、ジャンルを超えて様々な聴き手の耳にまで届くことを願いたい。」 by 吉本秀純

★取り上げられている楽曲のほとんどは、過去 30作の Buda エチオピーク・シリーズで原曲を聴くことができる名曲ばかり。
★フランスのアカレ・フーベをバックにした復活作『復活!エチオ・ポップのゴッドファーザー』を発表したギルマ・ベイェネの 代表曲[2]をジェイムス・ブレイク!? ばりの斬新なアレンジに料理。ダミアンとアスナケが出会う機会となったアルバム取り上 げられていた伝統曲[4]、アスナケがキャリア初期の 88 年にエチオピアのレーベルに残していた初ソロ作冒頭に収録されてい た[5]は、ファンキーなブレイクビーツやクラップ音に 70 年代のスティーヴィー・ワンダーなどを彷彿させるシンセ・ベースも 交えて、初期ヒップホップ的なエレクトロ・ファンクなリメイクが施されている。

★アスナケが敬愛する名歌手のトラフン・ゲセセが歌った[8]は、シンセ・ポップというよりもプロト・テクノ的な音色のシンセ が加わったマッドなカバーに。そして、ラウドなギターも加わって従来のユーカンダンツらしいテンションも覗かせながら大 団円的に盛り上げるラスト[9]は、こちらもマハムド・アハメドの十八番として知られている。

★新加入したドラマーのYann Lemeunierは、アルジェリア発のアラブ歌謡として日本でも80年代から親しまれてきたライの新世代サウンドを提示した音で日本でも高い評価を集めたソフィアン・サイディ&マザルダの傑作『El Ndjoum』でバックを務めたマザルタ(Mazalda)の中心人物。

★サウンド・アプローチは極めて斬新ながら、全体的にエチオピーク・シリーズへの並々ならない敬愛に満ちた内容となってお り、本作をきっかけに新しい感覚で過去の名作の数々にも改めて触れてみてほしい。 (吉本秀純ライナーノーツより抜粋)

★ちなみにアルバム・タイトルの『イェケテラレ YEKETELALE』は“It Continues(そして続く)”という意味。

【ユーカンダンツ UKANDANZ】
ユーカンダンツは、2010年にエチオピアのカリスマ歌手アスナケ・ゲブレイエスと、ジャズ〜パンクのフィールドで活動をしていた4人のフランス人ミュージシャンが結成した混成グループ。きっかけはギタリストのダミアン・クリュゼルが、エチオピア音楽の黄金時代(1960〜70年代)の復刻シリーズ”Ethiopique”のプロデューサーであるフランシス・ファルセトとアジス・アベバで1999年に出会いだった。70年代のエチオピア音楽を、ジャズ〜ロック〜パンク的アレンジで昇華させた衝撃的サウンドで、欧米で話題となる。2012 年にデビュー作となる『イェチェラル』を発表。ミュージック・マガジン誌2012年ベスト・アルバムのワールド・ミュージック部門第三位に選ばれ、2013年にはスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドに出演。その後キーボードのフレッドがグループを脱退。代わりにベーシストのブノワが参加し、よりロック&グルーヴなサウンドが強化されたセカンド作『アウォ』を発表。そして今回さらなるメンバーチェンジを行い、サウンドの強靱化を図っている。

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