WASIU AYINDE BARRISTER / TALAZO SYSTEM

シキルのグループから独立し、1980年にリーダー録音デビューしたワシウは、1984年に “TALAZO ’84” & 本盤 “TALAZO YSTEM” を立て続けに大ヒットさせ、シキル、コリントンに続くFUJIの立役者、若手スターとして広く認知されるようになった、というのはよく知られた話。この年、ワシウは引き続き 2作 “Ise Logun Ise” & “Ijo Olomo” をリリースしていますから、その勢いは推し量れようというものです(ちなみに、それまでのワシウは80年デビュー時に1枚のLP、81/82年は2枚づつ、83年は1枚というリリース・ぺースでした)。このワシウの飛躍は、そのままFUJIという音楽の絶頂期の到来を意味したかと思います。シキル、コリントン、そしてワシウという役者が揃って初めて、富士の裾野が広がりだした、ということは言えるでしょうね…(?)。
と、まあ、そういうことはともかくとしても、このCD、めちゃめちゃ音がイイんです、ホント!唐突かも知れませんが、フジCD史上最高の音質!? まるで目の前でトーキング・ドラム叩いているみたいです、ハイ。そこんとこも、ポイント高いですねえ。加えて、収録2曲各17分のうち16分はコーラスなし、という珍しい録音。通常FUJIは男組体育会系コーラスと応援団長系主唱によるコール&レスポンスで成り立っていますが、このCD収録長尺2曲では、団長ワシウのソロ・ヴォイスに終始、終盤1分近くになってやっとコーラスが出て来るという構成。それもまた、音質の良さと相まって、なんとも緊張感のある迫力を醸し出してくれるわけです。おおむね異色作と言っていいでしょう。もちろんバッキングはオンリー・パーカッション!後年のような、しょぼいエレピやソプラノサックスはなし!というわけで、グッとオススメしますよ!>★

Talazo System (Omo Aje OLPS 0311)
[A] Nigeria My Country / Alhaja (Chief) Arat Kamaldeen / Alhaji Sikiru Akinlou / Olubunmi Kenwood
[B] Late Alhaji Haruna Ishora / Prince Fatai Hammed / Orin Ariya / Talazo System