V.A. / LA MUSICA EN TIEMPOS DE MARTIN CHAMBI

★マルティン・チャンビの時代のペルー、アンデス音楽 1917-1937年
インディヘナ伝説の写真家マルティン・チャンビ。彼の写真に登場するアンデスの音楽家たちが奏でていたであろう、当時の音を求め、1917年から1937年までの歴史的音源を復刻編集した労作が日本盤で登場。息をのむ程に強烈な音像に圧倒される全14トラック。

●1920年代から50年代にかけて、ペルー/アンデスのクスコを拠点にアンデスの自然、街、人をその深い眼差しで撮り続けたインディヘナの世界的写真家、マルティン・チャンビ(1891年生まれ、1973年没)。笹久保伸のアルバム『翼の種子』のジャケットにも写真が使用され、知ることになった音楽ファンも多いと思います。彼の写真には、本作の素晴らしいカヴァー写真の様な、音楽家を撮ったものも数多くあります。本作は、そんな写真に写っている音楽家たちが奏でていたであろう、当時の音を1917年から1937年までのペルー、アンデス地方の歴史的音源(SP盤)から、全14トラックを収めたアンソロジーです。当初は、フランスのアンデス研究所IFEAとペルー・カトリック大学の民族音楽研究所IDE-PUCPによる「ペルー民衆音楽アーカイブ」シリーズの1枚としてリリースされたものです。
●フォルクローレというと、下層民衆が演奏していたものがそのままポピュラー音楽化したと思われがちです。しかし他の世界中の音楽と同様に、その成り立ちは多くが当時の職業音楽家たち(その大部分が西洋の音楽教育を受けた人たち)によって、その地の音楽的な特色をくみ取りながら創作されたもの。このアルバムには、そんな歴史的事実を雄弁に物語る、貴重な録音ばかりが並んでいます。
●ダンサ・インカイカ、ヤラビ、ウアイノ、バルス、アイマラといった今でも盛んに演奏されているスタイルの他、フォックストロット、ジャズ・カメル、ワン・ステップなどという当時の米国発の形式表記の曲なども並んでいます。そんな多様なスタイルがすでに存在していたわけですが、どの録音も土着性を強烈に感じさせながらも、究極に洗練された音楽ばかりなのに、まず驚かされます。
●また、演奏形式も、オーケストラ、ブラス・バンド、アルパ・ソロ、チャランゴの弾き語り、ヴァイオリン、ギターなどの弦楽器アンサンブルであるエストゥディアンティーナ、室内弦楽四重奏、ケーナとアルパのアンサンブルなど、多彩。
●ペルー、アンデス地方の様々な民衆音楽~ポピュラー音楽誕生の貴重な歴史的音源がコンパイルされています。ペルー音楽研究家、水口良樹氏による詳しい解説を付けての国内盤発売です。(メーカーインフォより)

※マスター音源に起因するノイズが聴かれます。古い音源のため予めご了承ください。

1. Amanecer Andino (Danza incaica) アンデスの夜明け
Daniel Alomía Robeles, Orquesta Victor de Concierto 1928/08/15
2. En las riberas del Vilcanota (Yaraví) ビルカノタの川岸で
Trío de quenas y arpa 1930/06/27
3. Quenas (Vals característico) ケーナ
Luis Duker Lavalle, Orquesta internacional 1937/11/18
4. Cacharpari (Keshswa) カチャルパリ(別れの宴)
Ojo de Lucero – Estudiantina Duncker 1928/04/24
5. Recuerdo Moheño (Huayno) モオっ子の思い出
Estudiantina Duncker 1928/04/24
6. Al fin todo se acabará (solo de arpa) ついにすべてが終わるだろう
Estanislao Medina 1930/06/28
7. La Cuzqueñita (Yaraví) クスコ娘
Cuarteto de Cámara Incaica 1930/07/03
8. Ñusta (Fox-trot) ニュスタ(インカ王女)
Orquesta Columbia
9. Janinau (Aymara) ハニナウ(もう好きじゃない)
Ya no te quiero, Ana y Lucy Salinas 1928/04/25
10. Manco Capac (Fox-trot) マンコ・カパック(インカ王国の初代の王)
Benigno Ballón Farfán, Orquesta Internacional 1923/12/18
11. Cuando el indio llora (Jazz Camel) インディオが泣く時
Carlos A. Saco
12. Separación (Huayno Quisurino) セパラシオン
Juan Bautista Cárdenas 1917/09/05
13. Cusicuy (One Step) クシクイ(よろこび)
Benigno Ballón Farfán, Orquesta Internacional 1923/07/05
14. Ollantay (Kashua Incaica) オリャンタイ Funerales de Atahualpa (Triste andino) アタワルパの葬儀 Banda del Batallón de Gendarmes no. 1 1917/08/31

*本CDと> “REAL ANDES SERIES VOL.1” CDの間にある時間軸の転倒のようなもの、に魅せられてしまい、もう、頭の中はマルチン・チャンビ状態。ペルー音楽ってホント奥が深い、というか深まる謎…