COMPUMA「Lateral Thinking feat.KILLER-BONG」

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*以下、compuma.blogspot より転載〜

COMPUMA名義のMIXCDとしては2013年春「SOMETHING IN THE AIR 2」2014年MIXCDR「MAGNETIC numa study sessions」以来3.4年ぶりの新作MIXCDとなります。

▽野田努さんにコメントいただきました

2016年はアンダーグラウンドの重要性を見失った年だった。部屋に積まれたCDを見るとビヨンセ、フランク・オーシャン、ソランジュ、で、えーとほかは……もちろんあるよ、だけどなんなんだ、昔は、たとえばいま現在フランク・オーシャンの(配信ではなく)フィジカルをゲットするための努力をひとはアンダーグラウンド・ミュージックに向けていたものだった。それは物欲から来るものではない。いや、物欲もあろう、しかし、フェティッシュな感性から来るものでもない。とにかく、音楽への愛がまずあった。ぼくがいまフランク・オーシャンのCDをゲットしてニヤつくとき、「やったぜ」という快感はある。が、同時になにかにコントロールされている気もうっすらと感じているのだ。買い方までも。

COMPUMAは、日本のアンダーグラウンド・ミュージック・シーンの王様のひとりである。DJであり、そして偉大なバイヤーでもある。90年代半ばの日本において、彼が仕入れた音楽(初期電子音楽、現代音楽、実験音楽、モンド、カルトなサントラそしてUSエレクトロなど)は、日本のポップ・シーンからストリートまで影響を与えてきたが、彼のセレクションはつねに、ジャンルの壁を切り崩し、そして音楽を更新するための志に基づかれていた。いまもそうだ。

この度、ブラックスモーカーからリリースされる彼にとっての最新ミックスCDからも、アンダーグラウンド・ミュージックの現在そして未来への連なりが見える。ディープ・ハウスの懐古ではなく、その現在進行形、いま生きているもの、それはすなわちいまも輝けるアンダーグラウンド・ミュージックを伝えているのだ。たった10人のために、しかしそれがやがては100人にも10000万にも膨らむであろう起点……もちろん未来がどうなるかなんてわからない。ボーカロイドが総理大臣になることはないだろうが、好むと好まざるとにかかわらず音楽のおおよそ大半は、デジタル・ワールドにある。クラブの数は増えたがそのほとんどが音楽のためではなくビジネスのため。アンダーグラウンド・ミュージックは、基本的には昔から愛で動いている。それはCOMPUMAのミックスの根底にあるもので、彼はいまもたった10人、いや、たった5人、いや、わずかの1人のためであろうが、音楽を繋ぐ者である。

本作のパート1は、2016年の夏、フォレストリミットにおけるライヴDJ音源。これは、UKのネットラジオNTSのFTDレーベルの番組で放送されている。パート2は、90年代の日本のエレクトロ・シーンにその栄光を刻んだADS時代の彼のシンセ演奏をミックスした音源にKILLER-BONGが音を加えたもの。言うなればCOMPUMA meets KILLER-BONG。これらの音源は、ADS~スマーフ男組でともに活動をした村松誉啓氏が2017年1月に永眠する前に録音されている。運命的というか、なんとも妙な時期の重なり方をしてしまったわけだが、なんにせよ、パート2で演奏されるアナログ・シンセサイザーの音響は、それ自体が生きているようにうねっている。もしクラブで、レコ屋でかかったら、誰もが「これなんすか?」と訊ねるであろう、エレクトロニック・フリー・コズミック・ジャズ。COMPUMAが90年代からずっと推していたサン・ラーの境地を見つめながら、彼はまた新しいところに向かっているようだ。(野田努)

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今回のMIXCD「Lateral Thinkng」のパート1は、去年、2016年夏のフォレストリミットでのDon’t DJ来日イベント「isn’t it」での自分のLIVE DJ MIXとなります。その後この録音は、UKネットラジオNTSのFTDレーベルの番組で放送されて番組のアーカイブにその日の番組全体としてすでにインターネット上にあがっている音源ではありますが、ここでのプレイ内容は、自分の中では、ここ1,2年DJでのライフワーク的に作り出したいとイマジナリーに思っていた世界観を少しずつマイナーチェンジやネクストへ向けて試行錯誤しながら組み立てていったプレイスタイルで、自分にとってもこの日のプレイ内容は、手前味噌ながら、あらためてどこかのタイミングで世に出したいと思っていた音世界でした。

ネットを通じて聞かれた方もいらっしゃる音源で
特にこんな時代ですので、MIXCDとしてのリリースに関しましては非常に悩みましたが、

BLACK SMOKER RECORDSさんからのありがたい言葉もあり、

そこからの流れで、新たに制作したパート2部では、自分の1990年代ADS時期のオスカーの即興シンセ演奏を中心にミックス音源を用意して、そこにKILLER-BONGさんが音を加えて完成した、まさに”COMPUMA meets KILLER-BONG”的な、自分にとってもこのようなコラボレーションは初めての経験で、非常にフレッシュな体験にして、BLACK SMOKER RECORDSならではのドープな音のセッションの記録が出来た事をとても嬉しく思っております。

このパート2音源を新たに作り出せた事、パート1とパート2が繋がる事、そして、Takuya Nakamuraさんのマスタリング、沖真秀さんのアートワーク、Kiyotaka Sumiyoshiによるアニメーション・ムーヴィーが組み合わさる事で、そこにあらたな息吹と世界観が誕生して、フィジナルな作品「Lateral Thinking part1&part2」として堂々と世に出せる事になったのではないかと僭越ながら自負しております。

今年のはじめ頃から進めていた計画ではありますが、
村松さんが亡くなった時期と今回のリリースが重なり、自分でも正直なんとも複雑な気持ちでおりますが、

村松さんから学んだ様々な事を
偲び忍びながら、自身の道としてこれからも精進していきたいと考えます。

なにとぞどうぞよろしくおねがいいたします。

COMPUMA

2017年2月

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NY在住気鋭のアニメーション作家Kiyotaka Sumiyoshiの制作ディレクションのもとMUSIC VIDEOも完成いたしました。MIXCDと合わせてお楽しみいただけましたら幸いに思います。どうぞよろしくおねがいいたします。

Lateral Thinking : part 1 60:08
Lateral Thinking : part 2(COMPUMA meets KILLER-BONG)10:37

artwork/masyu oki
mastering : Takuya Nakamura

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4/15(土)には発売を記念したリリースパーティーを東高円寺GRASSROOTSにて開催予定です。
BLACK SMOKER RECORDS PRESENTS
“BLACKGRASS”
『COMPUMA / Lateral Thinking Release Party!!』
4/15(SAT) at 東高円寺GRASSROOTS
23:00-
DJ’s:COMPUMA KILLER-BONG
msqt and special session!!!!!door:1500yen(1D)

 

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