ANNE BRIGGS / SING A SONG FOR YOU

71a+hbM0M3L._SL1200_英トラッド・シーンに多大なる影響を与えた女性歌手が 1973年に吹き込んでいた幻の3rdアルバム

“ブリティッシュ・フォークの永遠の恋人”と称され、バート・ヤンシュやリチャード・トンプソン、ジミー・ペイジらのブリティッシュ・フォーク/ロック・ミュージシャンたちに多大なる影響を与えたアン・ブリッグス。そのフォトジェニックな美貌から今も人気の高い彼女が、1973年にレコーディングしていたものの当時未発表に終わっていた最後のスタジオ・レコーディング作がこの『シング・ア・ソング・フォー・ユー』です。
1944年に生まれたアン・ブリッグスは若かりし頃からブリティッシュ・リヴァイヴァルのシーンに身を置き、イワン・マッコールやL.A.ロイドらのそのシーンの中心人物に可愛がられ、1962年18才の時にフォーク歌手としてデビューしました。トピック・レコーズのオムニバス盤のために様々な伝承歌の吹き込みを行い、当時恋人だったバート・ヤンシュに大きな音楽的影響を与えました。彼女が歌った「ブラック・ウォーター・サイド」をバートがレコーディングし、更にそれを聴いたジミー・ペイジが自作の「ブラック・マウンテン・サイド」としてレッド・ツェッペリンの1stアルバムに収録してしまったエピソードは余りに有名です。この「ブラック・ウォーター・サイド」を含む60年代トピック・レコーズへの吹き込みは後に『コレクション』(ライス TPR-329)としてまとめられ、ブリティッシュ・フォークの永遠の定番アイテムとしてロング・セラーを続けています。
その後1971年に初のアルバム『アン・ブリッグス』を、翌年にはCBSから自作曲を中心とした唯一のメジャー・リリース作品『森の妖精』をリリースします。そして1973年の春にスティーヴ・アシュリー率いるラグド・ロビンをバックに、再びレコーディングに入りますが、アンは自身の歌唱に満足出来ずお蔵入り、丁度第二子を妊娠していた彼女はそのまま引退してしまいました。その後、幾度か表舞台に姿をあらわし、バートとのデュエットを聴かせてくれたりしたものの、それらの活動はあくまで単発的なものに終わり、現在に至るまで彼女は新たなアルバムのレコーディングを行っていません。
この貴重な未発表アルバムは1996年に発掘され初めて世に出ました。無伴奏歌唱から愛らしいフォーク・ロック、少々サイケデリックな味付けがされた楽曲まで、その軽やかで清々しいサウンドと歌唱は彼女の他のアルバムとはまた異なった魅力を放っています。(インポーター資料から)