FEMI SOLAR / MY TIME

femi-solar2015>twitter 無断リンクお許しを! というわけで、ナイジェリア、ジュジュの期待の星(1999年デビュー)、FEMI OORUN SOLAR (本名Femi Oladele)の7作目(2015) 最新盤が届きました!この新作、名前の表記がフェミ・オールン・ソーラーからフェミ・ソーラーに変わってますが、ヨルバ語でオールンは太陽、ま、イコール “ソーラー(太陽の)” という意味なので、単に簡略化しただけでしょう(前回初入荷時と色合いが違う感じですが、それはもうナイジェリア盤印刷の謎?ということでご容赦を)。
ところで「わたしの師 (mentor) はサニー・アデだった。もちろん、インカ・アイェフェレもね」というようなことをインタビューで語っているフェミ・ソーラーですが、彼の率いるバックバンドの名も”the Sunshine Jasa Band” ということで、なるほど、お日様がらみの命名でサニー・アデにあやかっている感じは伝わって来ますね。

80〜90年代にはインターナショナルな展開も見せた往事のジュジュはともかくとして、その後、ナイジェリアでは、ジュジュはクリスチャン・ミュージックであることに意味を見いだし時流をしのいで来た観もあります(アデもオベイもゴスペル的歌詞を持って00年代を過ごして来ました。なんと言ってもナイジェリア三大民族の一つ、ヨルバ人おける宗教比率はキリスト教60%、イスラム教30%)。中でも90年代後半から “ゴスペル・ジュジュ” に特化したシンガー、インカ・アイェフェレの人気は、現在現地ではアデ、オベイらの上を行くものがあるでしょう。が、それはあくまでもクリスチャン・ミュージックとしての人気であり、20世紀初めからの流れを汲むジュジュ・ミュージックとしてのアイデンティティは希薄と言わざるを得ないような、リズミカルではあってもポリリズムに乏しいバッキング、耳当たりはイイものの平板な歌唱、という印象が強いのも確か。
現地では、そんなインカ・アイェフェレのフォロワーと目されて来たフェミ・ソーラー、ですが、この極東日本の地(って、当店界隈だけの話ですが)では、やっとインカ・アイェフェレ周辺の生ぬるいゴスペル・ジュジュから抜け出し、ジュジュ本来の音楽性〜ポリリズムに溢れるクールなダンス音楽としてのジュジュを継承する若手が登場した!と話題になっているわけです(以上、前号、じゃなかった、前盤までのあらすじ、でした)。
で、以下、フェミ・ソーラー率いるサンシャイン・ジャサ・バンドのメンバー構成を見て下さい!

Band Captain/Lead Talking Drummer- Dada Atoba
Bck Talking Drummer- Lasisi
Lead Omele-Ade
Bck Omele- Wale
Accord- Sola
Sekere- Sogo
Set Drummer- Bidemi
Lead Guiter- Kunle/Dotun
Rhythm Guiter- Seyi/Seun
Keyboard- Tayo
Chorus- Wale
Chorus- Biodun
Chorus- Seun
Chorus- Segun
Sax- Soji

トーキング・ドラマーがリーダーというというところに注目ですね。加えて、打楽器だけで7人、そしてリード&リズム・ギターが4人、コーラスが4人、そしてキーボード&サックス&ベースレスという総勢17名からなるこのバンド・スタイルが重要。そこにサニー・アデ以来のジュジュ的歌唱〜抑制の効いたヨルバ的語感を繊細に表現するフェミ主唱&変化に富んだ軽快なコーラスとの掛け合いにおいて、32分1曲を飽かせず聴かせるこのグルーヴこそ、ジュジュですね。まさに『マイ・タイム』オレの時代がやって来たと謳う快作に仕上がっているんじゃないかと。あとは、アデ、オベイが醸し出すあの空気感さえがあれば、と、そこまで言うのは酷かも知れませんが、やっとこさ、ジュジュに未来が見えて来たという点において、大いに評価してしかるべきフェミ・ソーラーだと思います。

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