LOUNES MATOUB / L’MUT

matoub1988(アラブ人との連帯を防ぐための、仏植民地時代のカビール人優遇を経、独立後は多数派のアラブ系住民から抑圧されることになったベルベル系アルジェリア先住民の)カビール人の間で、敬愛しない者はないとされる故ルーネス・マトゥーブの歌声(…残念ながら、1998年に自家用車運転中に銃撃され亡くなってしまった。その際、以前からイスラム過激派の脅迫を受け、身の危険を感じていたマトゥーブは車のダッシュボードに自動小銃を入れていたそうで、事件後、小銃の弾は空になっていたという。最後まで一人応戦して亡くなったようです)、こちらのCDは1988年のアルバムとのこと。一人多重録音ユニゾン・コーラスを配したり、ミディアム OR ミディアム・アップなマンドゥーラ&ダルブッカ、ヴァイオリン、ネイ等から成る軽快な伴奏に乗せ、くねくねとうねるような旋律を独特のコブシ使いで辿るそのさまは、既にマトゥーブ節が完成していたことを示すでしょう。絶頂期のマトゥーブ作品のひとつ!