初音家 V.A. / 河内音頭夢幻 初音家 – 浪曲音頭の誕生 –

hatsuneya
いま、明かされる「浪曲河内音頭」誕生の瞬間。
現代河内音頭に至る礎を力業で築いた偉大な老舗会派・初音家。1950~60年代、元老・太三郎。
正嫡・小太三丸(賢次)らの音頭風景を私家録音した音源は「浪曲音頭」誕生の瞬間を生々しく伝える。
伝説の音頭取りたちの歌声が夢幻の彼方から、いま鮮やかに蘇る。

●CD6枚組/豪華ボックス入り/ブックレット120頁付き

監修 : 初音家秀若(四代目宗家)

{前向上}
本主役の初音家は河内音頭の老舗会派です。
初代の初音家太三郎は大正時代、古くから河内地方在処に伝承されていた伝統的な音頭に
当時一世風靡していた浪曲の節調を採り入れ、現代河内音頭を創り上げた大功労者です。
戦前は太三郎を中心に「初音家五人衆」と呼ばれる名人が現れ、
「踊って・聴ける」新しい河内音頭の創造に真っ向から取り組みました。
その実験的試みは戦争を挿み、一旦は中断されるものの、戦後の時宜を得て五人衆の流れを汲む
「音頭第二世代」の逸材たちが初音家に結集し中断されていた音頭の革命が再開されます。

若き日の鉄炮光三郎も初音家の門を叩いた一人です。
また、鉄砲・三音家・日乃出家・井筒家・五月家等、
現在、河内音頭主要老舗会派の創始者たちは悉く初音家太三郎の薫陶を受けています。
河内音頭は1961年、鉄炮光三郎の「民謡鉄砲節」の大ヒットによって大坂ローカルなものから
全国区へと大きな飛躍を遂げましたが、その下地を築いたものたちこそ、
太三郎率いる初音家の音頭集団たちでした。
ところが残念なことにその記録がまったくないのです。
五人衆はおろか太三郎も生前、ほとんど自分名義の録音を残しておりません。
また、第二世代の人たちも初音家二代目・初音家小太三丸(賢次)一人を除いて録音は皆無といっていいほどです。
五人衆は全て、第二世代もわずか一人を除いて皆、物故してすでにこの世の人ではありません。
もはや彼らの歌声は夢幻でしかない、と音頭ファンの誰もがあきらめかけていたときに彗星のごとくあらわれたのが本音源集です。

本作は1950年代後半~60年代中頃に初音家の盆踊り、舞台風景を私家録音した貴重な音源集です。
今まで夢幻だった初音五人衆・初音家太三郎、宇志丸、辰丸の渋い喉、
小太三丸をはじめ第二世代の元気な歌声を具に聴くことができます。
がしかし、幻の音頭取りたちの歌声に接する喜びはもちろん、
それ以上にわたしたちを驚かせるのは「音頭革命」にひたすら奮迅する彼らの凄まじい熱気です。
ひとたびこの熱気にふれれば、河内音頭をよく知る人でもこれまでの「河内音頭観」を大きく変えること必至。
音頭をよく知らない、あるいは未体験の方はきっと、“バラッドにしてダンスミュージック!”
浪曲音頭の底知れぬ魅力に取り憑かれ、「ニッポンにもこんな音楽があったのか?!」と
大衆音楽の奥深さに認識をあらたにすることでしょう。
ともあれ、これまでリリースされた河内音頭の数多あるCDとは質量ともにちがいます。
どなたさまも2013年に新発見された「ルーツミュージック」とご理解下さいましてご一聴下さいますよう、
伏して懇願奉る次第です。

(以上、メーカーインフォより)

[収録演目/演者]

DISC-1
1俊徳丸 初音家小太三丸 32:45
2.河内十人斬り 初音家太三郎 29:22
[ボーナストラック]
3.仲乗り新三(スタジオ録音) 初音家賢次 7:31
4.河内十人斬り(スタジオ録音) 初音家太三郎 7:47

DISC-2
1.勧進帳 初音家宇志丸 24:06
2.紀伊国屋文左衛門 初音家辰丸 22:34
3.沓掛時次郎 初音家辰丸 20:29

DISC-3
1.河内十人斬り 初音家小太三丸 35:43
2.平井権八東下り 前篇 初音家小太三丸 20:24
3.難波戦記  初音家小太三丸 16:50

DISC-4
1.曽我物語 後篇~夜討の段_ 初音家太三広 20:24
2.唄入観音経 初音家太三広 27:28
3.暗闇の丑松 初音家太三広 16:04
4.曽我物語 後篇~夜討の段 初音家太三広 14:06

DISC-5
1.大瀬半五郎 初音家かをる 27:29
2.吉原百人斬り 初音家かをる 23:45
3.沓掛時次郎 初音家かをる 24:14

DISC-6
1.小桜仙太郎 初音家太三春 19:52
2.曽我物語 前篇~雁の段 初音家太三春 17:37
3.勢力富五郎 初音家つとむ 19:15
4.神崎与五郎東下り 初音家賢次 15:27